2026年6月28日

その「いびき」や「睡眠不足」、心臓からのサインかもしれません
「夜間、激しいいびきをかいていると家族に指摘された」 「しっかり寝ているはずなのに、日中に強い眠気やだるさがある」 「ふとした瞬間に、胸がドクドクと脈打つような違和感(動悸)を覚えることがある」
このようなお悩みはありませんか? これらは一見、別々のトラブルのように思えるかもしれませんが、実は「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」と「不整脈」という、心臓の重大な病気が深く関係しているサインかもしれません。
今回は、睡眠時の無呼吸がなぜ不整脈を引き起こすのか、そのメカニズムと適切な検査・治療法について、百合ヶ丘駅前の「百合ヶ丘つだ内科心臓不整脈クリニック」の専門医が、医学的エビデンスを交えて分かりやすく解説します。
1. 睡眠時無呼吸症候群(SAS)が不整脈を引き起こすメカニズム
睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは、睡眠中に何度も呼吸が止まったり(無呼吸)、浅くなったり(低呼吸)を繰り返す病気です。呼吸が止まるたびに体は深刻な酸素不足(低酸素血症)に陥り、以下のような機序で心臓や血管に過度な負担をかけます。
交感神経の過剰な興奮: 窒息しかけるたびに脳が危険を察知して目覚める(中途覚醒)ため、本来は睡眠中に休まるべき交感神経が激しく興奮します。これにより血圧が急上昇し、心臓に大きな負荷がかかります。
心臓への物理的な負担(陰圧の増大):閉塞した気道から無理に空気を吸い込もうとするため、胸腔内が強い陰圧(引っ張られる力)になります。これが心臓の壁を物理的に引き伸ばし、脈の乱れを誘発します。
心臓の電気信号の乱れ 低酸素状態や自律神経の急激な乱れは、心臓を規則正しく動かすための電気信号を狂わせ、様々な不整脈を引き起こしやすくします。

2. 睡眠時無呼吸に伴いやすい不整脈の種類
睡眠時無呼吸症候群の患者さまには、以下のような不整脈が合併しやすいことが分かっています。
心房細動(しんぼうさいどう): 脈が完全にバラバラになる不整脈で、放置すると脳梗塞のリスクを高めます。SAS患者さまにおける心房細動の合併率は非常に高いことが知られています。
期外収縮(きがいしゅうしゅく): 脈が時々飛ぶように感じる不整脈です。
徐脈(じょみゃく)・夜間の一時的な心停止: 無呼吸が起きている最中に、極端に脈が遅くなったり、数秒間脈が止まったりすることがあります。
3. 将来のリスクを防ぐために(医学的エビデンス)
睡眠時無呼吸と不整脈(特に心房細動)の密接な関連性については、世界中の多くの循環器学会や研究グループによって、確かなエビデンス(科学的根拠)が示されています。
💡 医学的エビデンス(参考文献)
米国心臓協会(AHA)が発表した、睡眠呼吸障害と不整脈に関する科学的ステートメントなどでは、睡眠時無呼吸症候群が心房細動をはじめとする不整脈の発症リスクを大幅に高めること、そしてSASの適切な治療(CPAP治療など)を行うことが、不整脈の管理や再発予防に極めて有効であることが報告されています。
対象論文: Sleep Apnea and Cardiac Arrhythmias: A Scientific Statement From the American Heart Association
掲載誌: Circulation, 2021 Jul 20;144(3):e46-e57.
「ただのいびきだから」「少し動悸がするだけだから」と放置せず、生活習慣病の管理と合わせて包括的に治療していくことが、将来の心血管イベントを防ぐためにとても重要です。
4. 当院での検査・治療アプローチ:まずは自宅での簡易検査から
当院(百合ヶ丘つだ内科心臓不整脈クリニック)では、不整脈の精密検査はもちろん、睡眠時無呼吸症候群のスクリーニング検査から加療まで一貫して行っております。
睡眠時無呼吸の検査(自宅で可能): 手の指や腕に小さなセンサーをつけ、寝ている間の呼吸状態や酸素飽和度を測定する「簡易睡眠検査」を行います。ご自宅で普段通りお休みいただきながら行える、負担の少ない検査です。
不整脈の検査(ホルター心電図): 睡眠中にどのような不整脈がどの頻度で起きているかを確認するため、24時間長時間の心電図を記録する「ホルター心電図検査」を合わせて行い、無呼吸のタイミングと脈の乱れの連動性を詳しく解析します。
SASの治療(CPAP療法など): 検査の結果、中等症〜重症のSASと診断された場合は、睡眠中に鼻マスクから適切な圧力をかけた空気を送り込んで気道を広げる「CPAP(シーパップ)療法」をはじめ、適切な治療法をご提案いたします。
結び:循環器・不整脈の専門医へお気軽にご相談ください
いびきや夜間の無呼吸は、自分ではなかなか気づきにくいものです。家族から「呼吸が止まっている」「いびきがうるさい」と言われたことがある方や、原因不明の動悸・息切れにお悩みの方は、決して放置せず、一度専門的な検査を受けることをおすすめします。
当院の院長は、「循環器専門医」および「不整脈専門医」です。心臓の観点と睡眠の観点の双方から、お一人おひとりの状態を丁寧に見極め、最適な医療を提供いたします。
小田急線「百合ヶ丘駅」南口から徒歩1分(クリエイト・ゆりストア3階)にあり、駐車場も18台完備しております。WEB問診システムも導入しておりますので、プライバシーに配慮した環境でスムーズに受診いただけます。まずはWEB予約よりお気軽にご相談ください。
記事監修:院長 津田 泰任(循環器内科専門医・不整脈専門医・総合内科専門医)
