コレステロールの薬って必要なの?|百合ヶ丘つだ内科心臓不整脈クリニック|百合ヶ丘駅|内科・循環器

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コレステロールの薬って必要なの?

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2026年2月23日

コレステロールの薬って必要なの?

働き盛りの40~60代の皆様、健康診断でコレステロール異常を指摘されてないでしょうか?

会社の保健指導で医療機関を受診しお薬が処方されても、仕事や家事などで多忙のため気になる症状もないし、つい「まあいいか…」とお薬を自己中断されてないでしょうか?

私が以前に勤めていた急性期病院では、毎日のように脳卒中・心血管疾患の患者さんが救急搬送され、その多くが生活習慣病を未治療の方でした。今回、循環器科医・救急医の立場から高コレステロールを管理し、必要があればお薬をしっかりと飲む理由をお伝えします。

◆Framingham study(フラミンガム研究)

米国で1984年から心筋梗塞などの心血管疾患の原因を調査し明らかにするために、Framingham在住の男女5,209人を対象に開始された大規模研究です。登録時の年齢は32~62歳であり、のちに対象者の子供や配偶者も研究に含まれました。この研究は2年ごとに対象者の健診(病歴聴取、診察、胸部レントゲン検査、心電図、コレステロール、糖尿病の検査)を行っております。

その結果、高血圧、高LDLコレステロール血症、低HDLコレステロール血症、糖尿病、喫煙、加齢などが心血管疾患の危険因子に挙げられました。

その後、日本人を対象とした大規模研究でも、高LDLコレステロール血症が心血管疾患の発症や死亡リスクを上昇させることが確認されております。

◆まずは生活習慣の見直しです

脂質異常症は生活習慣病です。その病気の背景、運動不足、外食やコンビニ弁当などの高カロリー食、喫煙、多忙・ストレスなどの生活習慣の乱れが存在します。生活習慣の見直しで改善できる方もいらっしゃいますが、数十年と染みついた生活習慣をすぐに改善するためには並大抵の努力では難しいでしょう。またその努力は一時的ではなく永続しなければなりません。

以下が脂質異常に推奨される運動療法、食事療法です。

運動療法

1日の合計30分以上の運動を毎日続けることが望ましいです。(少なくとも週に3日は実施すること)1日の中で短時間の運動を数回に分けて合計30分以上としても大丈夫です。

運動の種類は有酸素運動(ウォーキング、早歩き、水泳、エアロビクス、ダンス、スロージョギング、サイクリングなど)や筋肉トレーニングなどがお勧めです。

掃除、洗車、子供と遊ぶ、自転車で買い物に行くなどから始めても良いでしょう。

もちろん1回の運動では脂質異常は改善しません。改善させるためには数か月以上の長期的な取り組みが必要となります。

食事療法

飽和脂肪酸、トランス脂肪酸、コレステロールを多く含む食品(乳製品、動物の脂身、肉加工食品、洋菓子・チョコレート・菓子パン、フライドポテト、カップラーメンなど)を控えることが良いでしょう。

コレステロールが多い食材:たらこなどの魚卵、バター・チーズなどの乳製品、脂肪分の多い牛肉・豚肉など

トランス脂肪酸が多い食材:マーガリン、ファットスプレッド、ショートニング、それらを使用したパン、ケーキ、ドーナツなどの洋菓子

一方、食物繊維はコレステロールの吸収を抑え体外への排泄を促します。野菜、豆類、海藻、キノコ類、穀物の摂取が勧められます。

野菜:にんじん、ごぼう、さつまいも、ブロッコリーなど

豆類:大豆、えんどう豆、小豆、いんげん、豆腐など)

海藻:ひじき、わかめ、昆布など)

キノコ類:しいたけ、しめじ、えのきだけなど

穀物:玄米、もち麦

ビタミンを多く摂取することも重要ですビタミンCやE、カロチンはコレステロールの酸化を防ぐ作用があり、動脈硬化の促進を抑制します。

ビタミンC:トマト、ブロッコリー、レモン、いちご、小松菜

ビタミンE:かぼちゃ、ほうれんそう、ナッツ類

カロチン:にんじん、ピーマン、かぼちゃなどの緑黄色野菜

◆コレステロールの薬は数値を下げるだけの効果ではない

コレステロール治療のお薬の代表かスタチン系薬剤です。皆様も処方されているのではないでしょうか。このお薬の作用は、単に血液検査の数値を改善させるだけではありません。最大の恩恵は、血管の壁に溜まったコレステロールの塊(プラーク)の量を減少させたり、血管の炎症を抑えてプラークの膜を安定化させ破れにくくさせたりすることです。

不安定なプラークは足にできるマメと同じように血管内で破れてしまいコレステロールの塊と血液が混ざり血栓ができ血管が詰まります。

スタチン系薬剤はプラークの膜を厚く安定化させ脳梗塞や心筋梗塞を未然に防ぐ効果があるのです。

その他、スタチン系薬剤には、血管内皮機能改善作用、心筋保護作用、抗炎症作用、骨形成促進作用、免疫抑制作用など、さまざまな効果(プレイオトロピック効果)が報告されています。

お薬は毎日継続して飲むことが大切です。1日飲み忘れても問題はありませんが、飲み忘れが続くとせっかくの血管保護効果が失われてしまします。

◆お薬が嫌われる理由

よくある質問が「ずっと飲まないといけないのでしょうか?」です。これがお薬が嫌われる最大の理由ではないでしょうか。症状もなく困っていることもないのに薬を飲み続けるモチベーションが保てない方も多いでしょう。

生活習慣を改善せず脂質異常を放置すると、動脈硬化を促進し血圧が高くなると2種類、3種類とお薬を飲まないといけなくなり薬をやめることが難しくなります。

むしろ早期に治療を開始し、同時に運動・食事療法に取り組むことで将来的に内服から卒業を目指すことが賢い選択だと思われます。

◆まとめ

コレステロールの治療は、年齢、性別、基礎疾患などで数値目標が変わります。

働き盛りの40~60代の方こそ、リタイア後の健康のために生活習慣の改善、脂質異常の治療に取り組むべきです。

20代、30代で脂質異常を指摘される方は、遺伝的因子がある可能性があり、より積極的な治療が必要となる場合があります。

2024年より高LDLコレステロール血症が認知症のリスク因子に含まれました。将来的な認知症予防のためにも治療することが望ましいでしょう。

将来的に内服から卒業するためにも早期に治療を開始し、生活習慣の改善を心掛けましょう。

当院は高血圧・不整脈などの循環器専門疾患をはじめ、「内科のかかりつけ医」として風邪などの体調不良、糖尿病などの生活習慣病、甲状腺疾患などの内分泌疾患のご相談まで幅広く対応しております。体調のことで気になることがあれば当院までご相談ください。

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